第288回例会 「白バラの祈り」の感想 byでこ☆

でこです☆

“生粋のドイツ人 女学生 抵抗の物語”
“ナチ下のドイツ ひとつの真実”

数年前「白バラの祈り」を映画で観て
すでにそのストーリーに衝撃を受けていた私は

脚本を翻訳した吉原さんの講演(岐阜労演の定期総会にて)や
ゾフィ役の桜井さんのお話(“楽しさ先取り企画”にて)を聞いたり
原作本や尋問調書の載った本を図書館で借りたり
例会前にずいぶん学習した

今年一番 熱いおもいで観たお芝居だろう

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舞台はゾフィーと兄のハンスが大学でビラを撒くところから始まった

兄妹は、掃除夫の密告で捕まってしまう
ゾフィー、ハンス、その仲間、あわせて学生5人
彼女たちそれぞれの尋問のシーンが織り交ぜられて舞台は展開した

厳しい統制の中、ビラを作り、ビラを配り、ビラを撒く
夜中のうちにスローガンを壁に書き付ける
はらはらどきどきさせられる彼女たちの活動

そんな5人の共同活動の事実について
誰も口を割ろうとしない

“「生きたい」でも「生き延びたくはない」”
ゾフィーのセリフの中で特に響いた言葉だ

ゾフィーの言葉はどれも私の心に落ちた

そして繰り返される尋問のシーンを見るうち、ゾフィーが尋問官を尋問しているかのように思えてきた

「私を助けたいというが、兄や友人を助けようとしないではないか」
結局ゾフィーもハンスもその仲間もみんな処刑されてしまった

尋問官が、自分の娘と同じ年頃の彼女たちの死を前に
無力感に苛まれる一方で
ゲシュタポは、彼女たちを「敵ながら天晴れ」と嗤い
尋問官のような「普通のヒト」が第三帝国の立役者だと呟いた

これは私たちへの挑戦だ!

ゾフィーの闘いは、ドイツの中に今もある
それは例えば反原発の動きだろう

私たちはゾフィーに託されたのだ!
“「生きたい」でも「生き延びたくはない」”
生き延びても死が待っている、口をつぐんではいられない。

無人となった尋問室を片づける刑務官
机上の反政府活動者リストを燃し
ゾフィーたちが合図としていた口笛を吹きながら部屋を出る
そしてギロチンの音がして、青空!

この最後がなかったら私は席を立てなかった
…すごい

手動の謄写版、蓄音器、背もたれのカーブした木椅子も
しっかりその役目を果たしていた