第286回例会 「長崎ぶらぶら節」の感想 byでこ☆
でこです☆
長崎の丸山遊郭の芸者、愛八の一生。
家計のために遊里に売られてきた愛八。
孤独や悲壮感より、「芸が習えることがうれしい!」とひたすら前向きな少女だった。
言葉どおりに芸を磨き、芸者になった愛八。
「芸以外ではお金はもらわない!」というプライドを守っている。
次々と着物が替わり、美しい姿勢と、指の先まで行き届いた踊りには目をみはった。
憧れの学者・古賀と、古い歌探しの旅に出た愛八。
長崎ぶらぶら節への、古賀への、一途な情熱が伝わる長い旅。
途中に出会った「かくれキリシタン」の場面が印象的だった。
ついに「長崎ぶらぶら節」を発掘し、旅を終えた愛八。
人生の最後に情熱を傾けたのは、自分と境遇の重なる少女の成長。
彼女が結核にかかると、自分の稼ぎや蓄えをその治療費につぎこみ、自分は貧しい生活を厭わない。
芸者仲間の協力すら頑なに拒むところは、やるせなく、また残念に思った。
回る舞台で演出されたお百度参りの場面は、執念か霊気にも近い、そんな愛八の思いが表現されていた。