第281回例会 京楽座「しのだづま考」の感想 byでこ☆

でこです☆ 台風がちょっと心配だった19日に鑑賞しました。

 安倍保名は優しい人だ。
 狐狩りで追われる女狐を助けた。
 妻がその恩返しのキツネだとわかっても、「童子丸の母にはちがいない、戻ってくれ」と頼む。
 そしてキツネ葛の葉の想いをうけとめ、ひとりで童子丸を育てあげた。
 そんな保名の優しさと葛の葉の影の想いで童子丸は立派に育ったのだ。

…中西さんが語っていると思いきや、実は葛の葉が彼の体を借りて語っていた。
 童子丸(安倍晴明)は都で出世して、葛の葉の住む信太の森には、いつになっても戻ってこない。
 童子丸の帰りをまつ葛の葉は、死ぬに死なれず、千年近い古狐になってしまった。と…

 母親はいつまでも子のことが心配なのだ。

 それはまた、自然破壊を続ける人間への問題提起でもあるように思う。
 人間も動物も、だれもが仲良く楽しく過ごせる地球であるか?を問われているような気がした。