第287回例会 「さんしょう太夫」の感想 byでこ☆

でこです☆

説教師たちが説教節を唱えてやってきた
旅装束をほどいた瞬間
色鮮やかな着物姿のあんじゅとづし王が現れ
ここからものがたりが始まった

あんじゅの祈りが づし王の焼印を消し脱走させ
づし王の祈りが お母さんの目を開かせた
でも祈ったのはあんじゅとづし王だけではない
村人たち 奴婢たち みんなの祈りと協力があって
づし王は国司となり奴婢たちを解放できたのだ
あんじゅは死んでしまったけど…

にんげんはいつの時代も
困っている人を応援し
力をあわせて夢を実現してきた
そして信じることはパワーになった

金鉦(きんしょう) びんざさら 銅鑼などの古楽器
信じることと祈ることと重ねあわせ

祈りのステージを終えた説教師たちは
もとの旅装束に戻り
また別の時代へ旅立っていくようだった

第287回例会“楽しさ先取り企画”レポート by でこ☆

でこです☆

 いよいよ今週末、7月20日・21日にせまった
 岐阜労演次回例会 前進座「さんしょう太夫」!!
   
 「さんしょう太夫」の“楽しさ先取り企画”が行われたのは、
 春のおわりの5月末のことでした。

 ゲストは、あん寿役の小林祥子さん。
 説教節をまじえた「まじめな」お話、いただきました。

 芥川龍之介の「さんしょう太夫」は、
 昔から伝えられてきた説教節を
 こども向けにわかりやすくしたものですが、
 
 前進座の「さんしょう太夫」は、
 仏教布教を背景にした、かたりべの物語を 
 「まじめに」「まじめに」再現し、
 
 上演を重ねること1000回近くとのこと。
 
 実は私、小学5年生の時、
 学芸会で「さんしょう太夫」の「さんしょう太夫」役を演じました。
 女の子だけの出し物で、当時とっても「まじめな」私(自称)、
 初めは、「厨子王」を演じるはずでした。

 役も決まり、みんなでせりふを読み合わせたところで
 先生が、「君はさんしょう太夫!」
 あっさり配役変更!となり・・・
 
 先生の言うとおりハマリ役だったのか、
 「さんしょう太夫」を演じる私を
 「あん寿」役、「厨子王」役のクラスメイトが
 とても怖がっていたのを思い出します。
 
 でこ☆世代にとっては、学芸会の定番でなじみ深いこの物語も、
 30歳以下の若い世代では知らない人が多いそうです。
 
 
 「まじめな」話、説教節には不思議な力あります。
 
 “楽しさ先取り企画”で、私はつかの間
 小学5年生へタイムトリップしましたが、
 本公演では、中世へタイムトリップ!?

 自分のルーツに会えるかもしれません。。。


  ※岐阜労演第287回例会
   前進座「さんしょう太夫
    日時 2012年7月20日 午後6:30開演
       2012年7月21日 午後1:30開演
    場所 岐阜市民会館
     例会には岐阜労演会員のみ参加できます。
 
  ※岐阜労演への入会と例会詳細については、
    岐阜労演事務局までお問い合わせを。

第286回例会 「長崎ぶらぶら節」の感想 byでこ☆

でこです☆
 
 長崎の丸山遊郭の芸者、愛八の一生。

 家計のために遊里に売られてきた愛八。
 孤独や悲壮感より、「芸が習えることがうれしい!」とひたすら前向きな少女だった。

 言葉どおりに芸を磨き、芸者になった愛八。
 「芸以外ではお金はもらわない!」というプライドを守っている。
 
 次々と着物が替わり、美しい姿勢と、指の先まで行き届いた踊りには目をみはった。
 
 憧れの学者・古賀と、古い歌探しの旅に出た愛八。
 長崎ぶらぶら節への、古賀への、一途な情熱が伝わる長い旅。
 
 途中に出会った「かくれキリシタン」の場面が印象的だった。
 
 ついに「長崎ぶらぶら節」を発掘し、旅を終えた愛八。
 人生の最後に情熱を傾けたのは、自分と境遇の重なる少女の成長。
 彼女が結核にかかると、自分の稼ぎや蓄えをその治療費につぎこみ、自分は貧しい生活を厭わない。
 
 芸者仲間の協力すら頑なに拒むところは、やるせなく、また残念に思った。

 回る舞台で演出されたお百度参りの場面は、執念か霊気にも近い、そんな愛八の思いが表現されていた。

第286回例会 「長崎ぶらぶら節」の感想 byぼこ◎

ぼこです◎
 
 お座敷で舞う、愛八さんはきらきらと輝いてきれいでした。
 お座敷の外の愛八さんも、かっこよかったです。
 
 なのに、年老いた愛八さんは、孤独で、貧しくて、
 ちょっと近づけない…そんなおばあさん。

 このギャップはショックでした。

 腰の曲がった愛八さんがお百度参りをしたから、
 あの子の病気はなおったのかな?
 
 愛八さんがひとり無理をしなくったって、
 みんなで治療費を出しあったとしても、
 あの子の病気はなおったと思います。
 
 そしてその先には、
 あの子との生活や、仲間との新しい交流も生まれたと思うのです。
  
 決めたことはやり通す、守り通す。
 
 愛八さんの生き方はかっこいいし、憧れもあります。
 でも、最期ぐらい肩の力を抜いてあげたかったです。
 
 古賀先生への想いが叶えばよかったな・・・
 ・・・っていうか古賀先生なんかひきょうだ。

第285回例会 「どん底」の感想 byでこ☆

でこです☆
 
舞台をみるとき、いつもは知らず知らずのうちに
登場人物に“YES”“NO”を言いつつみていたようだ。
 
舞台「どん底」は、そんな見方から私を解放してくれた。
 
それはバレエ?ダンス?ミュージカル?を想わせる舞台で
連続する流れにのまれて混沌の「どん底」の中に押しやられるようだった。
 
ときどきピエロが天を指さし、笛を吹き、不思議な声で笑い、
舞台の上と同じく「どん底」いるこちらを意味ありげに刺激してくる。
天に立つ指揮者らしい姿も…
 
どん底」が体のすみずみに浸みてくるようだった。
 
ペーペルをめぐる女の争いはまさに「どん底」だったが、この部分は全体の流れと少し違和感があった。

第285回例会 「どん底」の感想 byぼこ◎

ぼこです◎

 「どん底」すこしむずかしかったです。
 登場人物の名前が聞きなれず、誰が誰だかわからなくなってしまいました…

 *ゴーリキー原作「マンガで完読 どん底」(日本文芸社,2009)
 1ヶ月前の舞台の記憶が今くっきりとよみがえります。

 マンガではありますが、登場人物も設定もセリフもほとんど舞台と同じで驚きました。
 
 それは、この作品が何度も読まれ、演じられたきたという証しだし、
 この作品に、時代を超えても共感できるリアルがあるからなんでしょう。
 
 じゃあそのリアルってなんだろう…
 
 やっぱりちょっとむずかしい。
 
 他人まかせ神だのみでは何にも変わらない。
 それはわかっているはずなのに変えるのはむずかしいな。
 
※「どん底」のあらすじが
 名古屋演劇鑑賞会公式ウェブにわかりやすくまとめられています。

第285回例会“楽しさ先取り企画”レポート by でこ☆

でこです☆

 寒さにかまけて後回し・・・そんな冬ももうおしまい。
 
 今月3月16日・17日の岐阜労演次回例会は、劇団東演による「どん底」です。
 冬が「どん底」だった1月のおわりに“楽しさ先取り企画”に参加しました。
 
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 「どん底」は、今から100年以上前の1902年、ロシアのマクシム・ゴーリキーによって発表された戯曲です。
 
 原作はロシア語。
 そして今回の演出家はロシア人のベリャコービッチさん。
 でも演じるのは日本の劇団東演
 
 今回の“楽しさ先取り企画”のゲスト佐藤史郎さんは、ロシア語「どん底」の翻訳家でもあり、東演の通訳・コーディネーター。
 ベリャコービッチさんと一緒に「どん底」の稽古に立ち会ってこられました。

 前回例会の「女たちのジハード」では、登場人物がうしろを向いて、服を脱ぎながらしゃべりはじめましたが、

 ベリャコービッチさん演出による「どん底」には、そういうリアリズムはありません。
 登場人物は、観客の方を向いて、三角形のフォーメーション、セリフ+音楽と光の演出で舞台が構成されいるそうです。

 なんだかダンスやパフォーマンスみたい。

 だから演じる役者さんたちは、確実な位置で、確実なセリフ、確実な動きをしなければならないのですが・・・
 
 稽古でのベリャコービッチさんは、ミスがあると、芝居をストップ、初めに戻って芝居をやり直し。
 またミスがあれば、ストップ、また初めから・・・この繰り返しだったそうです。
 演出を確実なものへ。
 ベリャコービッチさんによるこの稽古スタイルは、役者さんたちにさらなるプレッシャーを与えます。
 ミスをすれば、いつまでも稽古は次へ進まない・・・。

 佐藤さんのお話を聞いているとなんだか緊張して、お芝居をみる前から、手に汗にぎっちゃいました。

 そうして、どんな風に「どん底」はできあがっているのか?
 あと2週間!とっても楽しみです。

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 ちなみに佐藤さんは、ロシア留学の資金を稼ぐため、
 日本人とロシア人の船員が乗るカニ籠漁船の船員として、ベーリング海上で働いていたこともあるそうです。

 そんな経験を通して気付いた、日本人の気質。

 人に迷惑をかけることを恐れて、愛される可能性を失してはいないか。

 「自信をもって人に迷惑をかけてください!」
 この冬、いちばん心にのこった言葉でした。 


 ※岐阜労演第285回例会
  劇団東演どん底
    日時 2012年3月16日(金)午後6:15開演
          3月17日(土)午後1:30開演
         お昼の例会はじまります!!
    場所 岐阜市民会館
     例会には岐阜労演会員のみ参加できます。

 ※岐阜労演への入会と例会詳細については、
    岐阜労演事務局までお問い合わせを。
  
 ※劇団東演ホームページ